子供に対するインフルエンザワクチンの有効性についての論文
「Effectiveness of Trivalent Inactivated Influenza Vaccine in Children Estimated by a Test-Negative Case-Control Design Study Based on Influenza Rapid Diagnostic Test Results」
Shinjoh M, et al:PLoS One 10(8), 2015.
子供に対するインフルエンザワクチンの有効性
簡単にまとめるとこんな感じの論文。
対象
2013年11月から2014年3月の間に、日本の22の病院の外来診療で、38°C以上の熱があり、インフルエンザ迅速診断検査を受けた4727例(生後6ヵ月~15歳)
内訳:
インフルエンザA型陽性 876例
インフルエンザB型陽性 1405例
インフルエンザ陰性 2446例
方法
インフルエンザに対するワクチンの有効性をテストネガティブデザインで評価した。
(病院を高熱などで受診しインフルエンザ陽性であった人と陰性であった人を比較し、両者のワクチン接種率を比較)
結果
生後6ヵ月~11ヵ月のグループでは有効性はA型30%であった。
1~12歳のグループでは効果がみられた。
内訳:
1〜2歳のグループの有効性:A型72%、B型41%
3〜5歳のグループの有効性:A型73%、B型44%
6〜12歳のグループの有効性:A型58%、B型30%
13~14歳のグループでは有効性はA型12%、B型23%であった。
感想
この論文は2009年に新型インフルエンザが流行した頃のデータを掲載したものです。
新聞にもこの論文を元にした記事が掲載されたそうです。
インフルエンザワクチンの小児についての日本でのデータが掲載された論文、ということで興味深く読んでみました。
小児4000例以上のデータを掲載しているという点で評価はできるものの、統計的な有意差がほとんど出ていないのが気になりました。
年齢別のサブグループ解析で有意差をつけるのは難しいのか、ワクチンの有効性の有無を論じるのはそれだけ難しいのか。
こういう論文も出ているのに、受けようよ~、え~受けないの!?という空気を感じてしまうのは私だけ?
理論武装できる人だけではなく、「なんとなく嫌だなぁ」という声を無視する社会にはなって欲しくないものです。
あくまで一個人の意見として。
最後に
グーグル翻訳さんにたくさん頼りましたm(__)m
少々の翻訳ミスには目をつぶってくださいませ。
詳細なデータは下記を参照ください。
(英語)
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